酸性雨について

酸性雨は大気の汚染状態を示すバロメーターです。自然の雨は、大気中の二酸化炭素が溶けて炭酸になるので中性のph7よりも小さい「弱酸性」を示します。Ph5.6よりも酸性になっている雨を酸性雨といいます。このphが5よりも小さい酸性雨になると様々な被害がでます。
酸性度の強い雨が降る原因は石油や石炭を燃やしたときの硫黄酸化物や鉱工業から発生する硫黄酸化物や窒素酸化物が水に溶け込み酸化されて硫酸や硝酸になるためです。これら強い酸が雨や霧となって地上に降り注ぐのが酸性雨というわけです。
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酸性雨の観測
酸性雨の観測は、原因となる物質が大気に放出されてから酸性雨となって地上に降り注ぐまでにさまざまな国を越えて運ばれることもあるので国際的な問題になっています。
そのため世界各国で協力しながら観測や分析など酸性雨の動向を監視する世界気象機関の推進する全球大気監視計画の下で、ヨーロッパや北米など約200の観測点で降水の化学成分の測定が行われ、日本などアジアでは東アジア酸性雨モニタリングネットワークの下で酸性雨の状況を分析する共通の方法の取り組みが進められています。
酸性雨による環境破壊
酸性雨による環境破壊は、森林破壊・湖沼の酸性化・土壌の酸性化・建造物の腐食という現象で現れています。なかでも酸性雨による建物や文化財の腐食は世界各国でも問題になっています。例えば、エジプトのスフィンクス・ドイツのケルン大聖堂・イギリスの各寺院・古代ギリシャの遺跡群・など歴史的建造物は酸性雨によりボロボロの状態になりました。
このように世界各国で酸性雨で腐食した歴史的建造物の被害を防止することは地球環境を守るだけでなく人類の文化遺産を守ることにもなるのです。
酸性雨による森林被害

酸性雨による森林や土壌の被害は樹木の枯死や農作物の減少などヨーロッパでは森林の40%以上が酸性雨の影響で枯死するなどの報告があります。また森林被害がある一定の割合を越すと土壌が持っているアルカリ物質が酸性雨の影響でなくなる土壌汚染被害が急速に広大し始めて森林破壊が起こります。
酸性雨が湖や沼に入り酸性化すると魚などが生物学的に生存できなくなります。北欧では酸性雨の影響で60%以上の湖沼で魚が減少していると報告されています。
酸性雨への取り組み
日本や欧米諸国は、硫黄酸化物を取り除く脱硫装置を工場などに付ける対応で酸性雨の被害が最小限に抑えていますが、近隣諸国の中国や東南アジアなどの発展途上国では、動物や植物・農作物へ被害の影響が懸念されています。
近隣諸国が作り出す酸性雨は朝鮮半島から日本にも達していて山陰地方から北陸地方の沿岸にまで広い範囲にわたって森林被害が報告されています。このことから酸性雨を含む大気汚染が一国の問題だけでなく世界的規模での取り組みが必要とされています。
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