環境ホルモンとは

環境ホルモン

環境ホルモンとは環境中に排出される物質で、正式名には「外因性内分泌攪乱物質」もしくは「外因性内分泌攪乱化学物質」といい生物ホルモンの正常な働きを狂わせる物質の総称です。では、この環境ホルモンがどんな働きをして人体にはどんな影響があるのか原因や種類・対策までを含めた基本的な知識を理解しておきましょう。通常、人間が持っているホルモンは内分泌気管で作られ体の成長を促したりバランスを整える働きをします。ところが環境ホルモンが生体内に入り擬似的作用を発揮すると細胞は正常な作用を失い生殖異常や不妊・ガンなど生態系の生存そのものに影響を与えるため環境庁では環境保全上の重要課題としています。

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環境ホルモンの原因

環境ホルモンの原因とされているのが、私たちの身の回りにある化学物質です。環境省が疑いがあると指摘している化学物質は70種類近くもあります。主な物には洗剤の原料として使用される界面活性剤のフェノールや殺虫剤のPCB・DDT・船や魚網に貝類の付着防止剤として使用されているトリブチルスズ・染料に使われるニトロトルエン・不妊剤として使用するピル・その他にもダイオキシン類・ベンゼン・塩化ビニールモノマーなど現在でも研究者により環境ホルモンの原因と考えられる物質リストが発表されています。

2001年には環境省が工業用洗剤の原料に使用されているノニルフェノールという化学物質で魚のオスがメスになるような作用があると発表しています。全ての化学物質が環境ホルモンの原因である確実な根拠があるわけではありませんが、このように私たちの生活環境で使用されているものには危険な科学物質が多くあるのです。

環境ホルモンを広めた一冊の本

奪われし未来

奪われし未来

1996年にアメリカの科学者シーア・コルボーンが書いた一冊の本「奪われし未来」が環境ホルモンの知識を世界中に広めました。
野生生物の減少や生殖器の異常の原因は外因性内分泌攪乱化学物質によるものだという仮説を提唱したのです。

ベストセラーとなったこの本では環境や生態系にもたらす様々な異常の原因が化学物質であると唱えていますが何の物質がどのように人体や環境へ影響を与えるのかについては現在でも科学的論争が行われています。

環境ホルモンの影響

環境ホルモンの影響は生態系にさまざまな異常現象を引き起こしています。1952年初めに米国フロリダ湾岸でハクトウワシの雛の数が激減している現象が報告されてから世界各国で様々な異常現象が報告されています。1971年にはイギリスで巻き貝類のメスがオスに、オスがメスのようになる異常現象が発表され問題になりました。

日本では90年代に、巻き貝の一種がトリフェニルスズの影響でメスがオス化する現象が現れてから研究や観察・生態系に与える影響などが行われています。その結果、生殖異常だけでなく環境ホルモンによる生態系への影響は人間の精子数の減少やガンの発生・魚介類の異型などが疑われていますが、これらの人体や動物への影響が化学物質によるものであることを科学的に証明できた事例は多くありません。しかし、それは環境ホルモンが原因ではないということではありません。

環境ホルモン対策

環境省は環境ホルモンの内分泌攪乱作用が疑われる物質について、平成12年度から優先順位の高いものについて有害性評価を行っています。又、全国の河川の水質や底質調査を行い水環境における内分泌かく乱物質に関する実態調査結果を公表しています。

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