農薬汚染の現状

現在、さまざまな化学物質が製造されていますが、農産物や樹木など環境中へ拡散する農薬は自然環境の汚染だけでなく健康被害や生態系への影響などの問題が指摘されています。一般に農薬は穀物や土壌の殺菌・害虫の殺虫に使用されるため難分解性と生物蓄積性の特性から農薬による環境汚染は使い続ける限りなくなりません。
散布された農薬は作物や耕地から大気中に気化して、雨などで流されて水系に入り再び土壌へ戻ります。土壌に残留した農薬の一部は植物や食物に吸収され食物連鎖を通じて生態系などの体内に汚染された農薬が蓄積されます。当然、私たち人間もそのサイクルの中に含まれているので農薬による環境汚染は私たちの身近な問題なのです。
Sponsored Link
農薬汚染による健康被害
農薬は生態系を死滅させるために使用されます。そのため多くの生物に対しても毒性を示し、人間も例外ではなく農薬汚染によって健康に影響を受けるのは避けられません。現在、日本で使用されている農薬は有機成分の種類にして300以上ある中で健康に被害を生じる恐れがあると指摘されている主な農薬は残留性の高い有機塩素系の農薬です。
有機塩素系農薬であるDDTやディルドリンなどは、環境汚染の観点から農薬使用が禁止され現在では基準以上の農薬を含む農作物の流通は報告されていません。禁止される以前に農薬汚染による発がん性・頭痛・目まい・吐き気・全身倦怠感・痙攣・呼吸麻痺・などの症状が懸念されていました。しかし発展途上国では現在でも禁止されている農薬を使用し上記のような症例が多々報告されており、その体内からは高濃度の農薬が検出されています。
農薬の歴史

一般に農薬の種類は殺虫剤・殺菌剤・除草剤の3種類です。生活環境においてはハエ・ゴキブリ・ノミ・ダニ・などの衛生害虫を殺すために殺虫剤が使われています。このような農薬類は17世紀末にタバコの粉が害虫退治に使用されたのが最初と言われています。
その後、植物から得たピレスロイド系化合物などが殺虫剤として使われ始めてから1939年にスイスでDDT・1942年にはイギリスでBHC・第二次世界大戦後に米国でドリン系農薬・ドイツで有機リン剤などが開発され現代の農薬の構造を示しています。
農薬汚染防止への取り組み
現在、日本では農薬取締法に基づいて農薬の製造・輸入先の国には販売の申請・農薬の登録・使用方法の表示などが義務付けられています。登録に関しては厳しく制限して環境に影響する基準については大臣が定めています。また食品衛生法により残留農薬に対して厳しい基準を定めています。
世界においては国連環境計画に基づき2001年に環境中に長く残る有害な残留性有機汚染物質12種類をできる限り削減する条約を決め有害な化学物質や農薬などは輸入先の国の許可がないと輸出できない条約に取り組んでいます。
Sponsored Link
